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FujiiTomohiro Photography Diary

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50mm

2月に行ったイタリアでは、久しぶりに銀塩カメラをメインにした。
ライカM3とM6。
デジタルも作品用にリコーGR DIGITALを持って行ったが、カット数はとても少なかった。
気持ちをライカに集中させたかったようだ。

レンズはエルマリート21mmF2.8、ズミクロン35mmF2、50mmF2、90mmF2の4本。
M3にズミクロン50mm、M6にズミクロン35mmを装着し、必要に応じてM6は21mm、M3 は90mmに交換した。

M3とM6では、M3の方をよく使った。つまり50mmがメインだったのだ。
M3に50mmの組み合わせは実に使いやすい。
はじめてM3にLマウントのエルマー50mmF3.5を装着して撮った時の感動は忘れられない。
肉眼の映像をそのまま切り取るような感覚だった。

ヨーロッパに行くと、さらに50mmがフィットするように感じた。
街と私との距離は、50mmが最も合うように感じたのだ。
仕事でドイツへ行った時、自分の写真用のライカM6は35mmにするか50mmにするかで迷い、結局50mm1本だけにした。
それは正解だった。被写体との間合いは、50mmで丁度良かった。
04年に行ったパリはニコンF3をメインにしたが、やはりニッコール50mmF1.4でほとんど撮ってしまった。
その時の作品は、現在発売されている月刊カメラマンに掲載されている。

50mmと言えば、アンリ・カルティエ=ブレッソンだろう。
作品のほとんどがライカに50mmだけ。時々35mmと90mmに換えるくらいだった。
木村伊兵衛もライカに50mmが多かった。
どうやら木村伊兵衛の場合、ブレッソンの影響も大きいようだ。
菊池寛賞受賞のインタビューの中でヨーロッパ撮影の話になり、
「それにしても感心したのはブレッソンです。もっぱら50mmですが、ポケットに35mmと90mmが入っていて、必要に応じて交換するのですが、その素早いこと」
と語っている。そして
「狭い横町を撮るのも35mmより50mmの方がぐっと迫ってくる」「もっと50mmを活用してもらいたいですね」
とも語っている。

スナップと言えば広角レンズを使う人が多いが、私は50mmが好きだ。
”標準”50mm。その面白さが少しずつわかってきた。最近そんな気がしている。


2月のイタリアは、M3にズミクロン50mmF2がメイン。いつもはM3だとズマリット50mmF1.5なのだが、ヘリコイドがグリス切れでズミクロンにした。
50mm_c0030685_205352.jpg


M3とズミクロン50mmで撮ったフィレンツェ。被写体との絶妙な間合いが得られる。
50mm_c0030685_2071673.jpg


04年のパリでは、ニコンF3に50mmがメインだった。発売中の月刊カメラマン誌の「ポレポレ紀行」でも、この組み合わせがほとんどだ。
50mm_c0030685_2085418.jpg

by fujiitomohiro | 2006-03-31 20:09 | イタリア Italy
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フォトグラファー、藤井智弘。「近所から海外まで」街を歩いて写真を撮っています。(公社)日本写真家協会(JPS)会員。お仕事のご依頼はホームページのフォーム、またはTwitter、InstagramのDMからお願いいたします。


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