OMEGA Genève
もう3年以上前になるでしょうか、父から腕時計を譲り受けました。
オメガ・ジュネーヴ。
今から40年ほど前の時計です。
オメガといえば、スピードマスターやシーマスター、コンステレーションなどをラインナップするスイスの名門時計ブランド。
特にスピードマスターは、NASAのアポロ計画に採用されて、はじめて月に降りた時計として知られています。
この時計もさぞかし高級なのかと思いきや、ジュネーヴは当時のオメガの中で最も低価格の機種だったとか。
しかも、これは日付機能すらありません。
オメガのローエンドだったようです。
ちなみにジュネーヴは、現在はラインナップから消えています。
せっかく手にしたオメガですが、機械式時計は定期的なメンテナンスが必用。
何年も眠っていた時計なので、まずはオーバーホールをしなくてはなりません。
しかし「そのうち・・・」と思っている間に、どんどん時が過ぎていってしまいました。
ようやくオーバーホールに出したのは、ポルトガルに行く直前。
埼玉県にある、オメガ認定の修理技師だった人が経営している時計店にお願いしました。
お店に入り、
「あの、オメガのオーバーホールをお願いしたいんですけど。ジュネーヴという時計です」
と時計を出すと、ご主人はニヤッとした顔。
「これは、・・・かな?」
などと言いながら、お店の奥へ。
何だろうと思っていると、
「あぁ、やっぱりそうだ。これはキャリバー(Cal.)552ですよ」
とご主人。その手には、裏ブタが開いたオメガ・ジュネーヴ。
中の機械が銅色に輝いています。
外観は長い年月を感じるのに、内部はピカピカで驚きました。
「これは自動巻用のローターがピカピカでしょ?でもこの後の機種からは輝きがなくなるんです。コストダウンですね」
とご主人は説明してくれます。
「でも、父から一番安いオメガだと聞いていますが」
するとご主人、
「この当時は、ジュネーヴがあって、次にシーマスター、そして最高級のコンステレーションがありました。でも、実は中身はほとんど同じなんです」
では、何が違うのだろう?
「それは精度です。コンステレーションが最も高い精度が出るように調整しています。次にシーマスター、ジュネーヴの順。コンステレーションだけは機械の基本は同じでも、Cal.551なんですよ」
なるほど、なるほど。ご主人は丁寧に教えてくれます。
「これは、まだクォーツの時代になる前の時計です。いい時代の機械ですよ」
そう言われると、嬉しくなってきます。
ようやく、この時計について知ることができました。
ポルトガルから帰国して数日後、オメガ・ジュネーヴのオーバーホールが出来上がりました。
受け取ると、表面やブレスレットの汚れが落ちていて、見違えるほど綺麗。
風防も磨かれて、細かいキズが消えています。
愛着が一層湧いてきます。
私と同世代のこの時計は、再び時を刻み始めました。
父から譲り受けたオメガ・ジュネーヴ。日付無し、シルバーダイヤル、バーインデックスの極めてシンプルな時計です。父が手にした時は新品だったこの時計は、約40年の時を経て、アンティークとなって私のもとに来ました。時計を耳に近づけると、Cal.552が動く音が聞こえます。
オメガ・ジュネーヴ。
今から40年ほど前の時計です。
オメガといえば、スピードマスターやシーマスター、コンステレーションなどをラインナップするスイスの名門時計ブランド。
特にスピードマスターは、NASAのアポロ計画に採用されて、はじめて月に降りた時計として知られています。
この時計もさぞかし高級なのかと思いきや、ジュネーヴは当時のオメガの中で最も低価格の機種だったとか。
しかも、これは日付機能すらありません。
オメガのローエンドだったようです。
ちなみにジュネーヴは、現在はラインナップから消えています。
せっかく手にしたオメガですが、機械式時計は定期的なメンテナンスが必用。
何年も眠っていた時計なので、まずはオーバーホールをしなくてはなりません。
しかし「そのうち・・・」と思っている間に、どんどん時が過ぎていってしまいました。
ようやくオーバーホールに出したのは、ポルトガルに行く直前。
埼玉県にある、オメガ認定の修理技師だった人が経営している時計店にお願いしました。
お店に入り、
「あの、オメガのオーバーホールをお願いしたいんですけど。ジュネーヴという時計です」
と時計を出すと、ご主人はニヤッとした顔。
「これは、・・・かな?」
などと言いながら、お店の奥へ。
何だろうと思っていると、
「あぁ、やっぱりそうだ。これはキャリバー(Cal.)552ですよ」
とご主人。その手には、裏ブタが開いたオメガ・ジュネーヴ。
中の機械が銅色に輝いています。
外観は長い年月を感じるのに、内部はピカピカで驚きました。
「これは自動巻用のローターがピカピカでしょ?でもこの後の機種からは輝きがなくなるんです。コストダウンですね」
とご主人は説明してくれます。
「でも、父から一番安いオメガだと聞いていますが」
するとご主人、
「この当時は、ジュネーヴがあって、次にシーマスター、そして最高級のコンステレーションがありました。でも、実は中身はほとんど同じなんです」
では、何が違うのだろう?
「それは精度です。コンステレーションが最も高い精度が出るように調整しています。次にシーマスター、ジュネーヴの順。コンステレーションだけは機械の基本は同じでも、Cal.551なんですよ」
なるほど、なるほど。ご主人は丁寧に教えてくれます。
「これは、まだクォーツの時代になる前の時計です。いい時代の機械ですよ」
そう言われると、嬉しくなってきます。
ようやく、この時計について知ることができました。
ポルトガルから帰国して数日後、オメガ・ジュネーヴのオーバーホールが出来上がりました。
受け取ると、表面やブレスレットの汚れが落ちていて、見違えるほど綺麗。
風防も磨かれて、細かいキズが消えています。
愛着が一層湧いてきます。
私と同世代のこの時計は、再び時を刻み始めました。
父から譲り受けたオメガ・ジュネーヴ。日付無し、シルバーダイヤル、バーインデックスの極めてシンプルな時計です。父が手にした時は新品だったこの時計は、約40年の時を経て、アンティークとなって私のもとに来ました。時計を耳に近づけると、Cal.552が動く音が聞こえます。
by fujiitomohiro
| 2010-07-30 17:52
| 日常 Daily