人気ブログランキング | 話題のタグを見る

FujiiTomohiro Photography Diary

fujiitomo.exblog.jp ブログトップ

Nijntje

2日間、アムステルダムを歩き、翌日はオランダ中部の街、ユトレヒトへ行きました。
ユトレヒト中央駅に到着し、中心地に向かって駅構内を進むと、巨大なショッピングセンターに入ります。
お店を眺めながら歩き、建物を出ると駅前商店街が現れました。
まだ午前中とあって、人通りは少なく静かです。
まずはドム広場まで行きます。
ドム広場にはドム教会やユトレヒトのランドマークと言えるドム塔があります。

広場に着くと、何やらにぎやか。
この日は5月5日。日本と同じく、オランダも祝日です。
ただし日本は「こどもの日」ですが、オランダは「解放記念日」。
1945年にナチスドイツから開放されたのを記念しています。
これから解放記念日の式典が行われるのでしょう。

ユトレヒトは、うさぎの女の子が登場する絵本「ミッフィー」の故郷。
作者のディック・ブルーナ氏は、今もユトレヒトでミッフィーを描いています。

なおミッフィー(Miffy)は英語の呼び名。
日本ではミッフィー(講談社)、またはうさこちゃん(福音館書店)と呼ばれていますが、本国オランダではナインチェ(Nijntje)。
子供のうさぎという意味だそうです。なおフルネームはナインチェ・プラウス(Nijntje Pluis)だとか。プラウスとは「ふわふわ」という意味らしいです。

ミッフィーは子供向けの絵本ですが、その絵は現代美術と言えるもの。
ブルーナ氏はマティスに大きな影響を受けているそうです。
画面構成を極端にシンプルにし、ごく限られた色だけを使用しています。
線はすべてフリーハンド。インクと筆で慎重に描かれていきます。
ブルーナ氏の絵を見ると、輪郭線に手のほんのわずか揺れがあり、それが画面に豊かさを出しています。
1963年に今の形になったミッフィーは、40年以上経過した現在も全く変わっていません。
人や周囲は変化していくのに、描くものは変化しない。それも芸術です。

また文字はほとんどが1ページ4行。
しかも2行目と4行目は韻を踏んでいます。
シンプルにすることで、最大の効果を得る絵本と言えるでしょう。

ドム広場から南の方へ行くと、ディック・ブルーナ氏のミュージアム「ディック・ブルーナ・ハウス」があります。
様々な映像や、ブルーナ氏が手掛けてきた仕事、ミッフィーの家もあり、子供から大人まで楽しめます。

個人的にですが、オランダは17世紀の絵画以外にも、現代美術に優れているような気がしています。
ブルーナ氏だけでなく、建築家、デザイナーのリートフェルトの作品も現代美術と言えるもので、ユトレヒトには世界遺産となっている1924年築のシュローダー邸もあります(今回は行きませんでした)。

ディック・ブルーナ・ハウスを出た後、再び街を歩き、スキポールへ戻りました。
現代美術も楽しむことができたユトレヒトでした。

ユトレヒトのシンボル、ドム塔。高さ112m。14世紀に建てられたそうです。
Nijntje_c0030685_1611383.jpg


ドム教会の前。解放記念日ということで、「1940-1945」と掘られた像(おそらく第二次大戦で亡くなった人を偲ぶのと、平和を願った像でしょう)には、たくさんの花が置かれていました。
Nijntje_c0030685_16134617.jpg


ミッフィー(ナインチェ)が堪能できるディック・ブルーナ・ハウス。チケットはユトレヒト最大の博物館「セントラル・ミュージアム」と共通です。
Nijntje_c0030685_1615186.jpg


ユトレヒトの住宅街は静かで穏やか。ヨーロッパの強い光りが、壁の色を際だたせます。
Nijntje_c0030685_16164862.jpg


写真ブログランキングに登録しています。
にほんブログ村 写真ブログへ
こちらのバナーを”ぽちっ”と押してください。
by fujiitomohiro | 2007-05-15 16:28 | オランダ Netherlands
line

フォトグラファー、藤井智弘。「近所から海外まで」街を歩いて写真を撮っています。(公社)日本写真家協会(JPS)会員。お仕事のご依頼はホームページのフォーム、またはTwitter、InstagramのDMからお願いいたします。


by fujiitomohiro
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31